チイキヅクリノート

これからの地域づくりを考えるブログ

キーワードは複合化と多機能化!これからの公共施設まとめ

人口減少により税収減少が予想されるなか、行政は今までのように複数の公共施設を維持できなくなると考えられています。一方で、労働人口の減少、高齢者の増加などにより住民が公共施設に求めることも変わってきています。

これらを解決するためのキーワードの一つに公共施設の「複合化・多機能化」という手法が考えられます。

 公共施設の複合化・多機能化することのメリットについて、例えば大阪府豊中市は次のように考えています。以下、大阪府豊中市の「平成24年複合化・多機能化・戦略的配置についての方針」からの引用です。

一つは、地価水準の高い我が国の都市部での現状においては、施設用地の取得が大きな課題となる中、既存土地の有効利用の方策となることである。
二つめは、機能の異なる施設を複合化・多機能化することによって様々な施設間の相乗効果を生み出すことができることである。 多様なニーズに応える施設環境の高度化、賑わいや楽しさなどの創出、施設間の共同事業等による利用者の交流の促進、地域における核の形成等が期待される。 三つめは、複合化・多機能化によって、管理・運営のための人員及びスペ ースを削減できランニングコストの低減化を図ることができることである

行政の財政と住民のニーズを考えると、公共施設が複合化・多機能化するのは必然性があることだと思います。今回は複合化・多機能化された公共施設の事例をご紹介したいと思います。

 

武蔵野プレイス

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(画像引用元:Panoramio mthr 110

図書館機能だけではなく、地域活動に必要な機能も併せもった複合機能施設です。主な支援分野は、市民活動支援(活動環境の提供・情報収集・相談業務)、生涯学習支援(ワークスペース設置、地域の大学との共同講座など)、青少年活動支援(楽器演奏やダンス・演劇練習・料理・工作ができる各種スタジオ、キャリア形成支援)となっており、各階に設備や専用スペースが配置されています。

 

立川市立第一小学校複合施設

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(画像引用元:立川市教育委員会

小学校、学習館、図書館、学童保育所が併設された立川市内で初の学校教育と社会教育の複合施設です。子どもの育成は小学校だけでなく、地域と連携して行くことが大切ですが、この施設は地域住民と児童が交流できるよう、小学校と学習館の共用スペースをつくり世代を超えた交流を促す仕組みとなっています。

 

武雄市立図書館

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(画像引用元:Fan Fun Fukuoka

民間企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営を受託している図書館。資料収蔵や図書貸出の場という従来の図書館機能だけだはなく、図書館と書店とカフェが融合することで、様々な図書館の過ごし方やコミュニティの創出の場を提供しています。従来の行政主導ではなく、官民連携を実現した好事例として評価され、2013年グッドデザイン賞の金賞を受賞しています。

 

エコフロンティアかさま

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(画像引用元:戸田建設

茨城県の総合的な廃棄物対策の一環として建設された公共処分場。処分場の管理のほかに、廃棄物を通して広く環境全般について学べるような学習機能を備えています。また、この施設は日本で初めてレベニュー債を導入し設立された施設です。今後、自治体の資金調達の方法としても注目を浴びる施設になりそうです。

 

 

いずれの施設にも言えることは、施設を作る際に施設の機能にとどまらず、訪れる人がどのような体験ができるかを深く考えられている点だと思います。これからの公共施設は様々な目的をもった人が集まり、情報交換や、新しいものを創造するような場所として機能することが求められると思います。