チイキヅクリノート

これからの地域づくりを考えるブログ

今後も増え続ける「廃校」の可能性まとめ

学校の廃校数に関する具体的な数字が出ています。

2014年に文部科学省が発表した「廃校施設活用状況実態調査」によると、2013年度に廃校になった公立学校数は482校(小346校、中104校、高32校)でした。2002年度からの12年間では5801校(小3788校、中1089校、高924校)が廃校になっています。廃校になる理由は校舎等の施設の老朽化や少子化による統廃合が主な理由だと考えられます。

 

氷見市庁舎(富山県氷見市)

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廃校後は再び学校として利用されるものが最も多いのですが、他には社会体育施設や社会教育施設・文化施設などにも活用されています。なかには宿泊施設や美術館、創業支援施設などに生まれ変わらせた事例も見受けられるようになりました。

今回は廃校活用の今後の参考になりそうな事例をご紹介します。 

 

市庁舎に

まずは、氷見市庁舎。

廃校になった高校の体育館を、新築する場合のほぼ半分の費用で市庁舎に改修。体育館を再利用して市庁舎にしたのは全国初です。市庁舎を整備においては市民と市職員がワークショップを行い、アイデアを一つ一つカタチにしていきました。このようなプロセスは今後地域に新しい場を作る際に多くなってくるのではと思います。

 

 

美術館に

アルテピアッツァ美唄(北海道美唄市)

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 (画像引用元:アルテピアッツァ美唄

廃校になった小学校の校舎や、体育館を取り囲む自然の中に美唄出身の世界的彫刻家・安田侃氏の作品約40点を配置し、芸術空間として再生させました。廃校を美術館にした事例はアーツ千代田3331など比較的多いですが、この施設は校舎だけでなく周辺の森なども活かし広大な野外彫刻公園となっており、美しい空間を作り出している好事例です。

 

シェアオフィスに

シマントシェアオフィス161(高知県高岡郡)

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(画像引用元:高知家で暮らす。

廃校になった小学校を活用した四万十川の近くにあるシェア型レンタルオフィス。高知県が移住政策として掲げる「高知家のシェアオフィス」の一つです。理科室、家庭科室、音楽室などの部屋がそのまま残っており、オフィスとしての利用以外にも、撮影スタジオや料理教室などの体験学習にも活用できます。このシェアオフィスの特徴は「自然体験もできる滞在型」のシェアオフィスという点です。休日には農業、川漁、カヌー体験など自然体験ができます。滞在型を打ち出すことで、企業のサテライトオフィスとして交流人口の増加を目指しています。

 

イベントスペースに

マチノブンカサイ(岡山県岡山市)

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 (画像引用元:マチノブンカサイ

廃校になった小学校を会場に2012年から始まった年1回開催される音楽ライブイベントです。イベント当日は体育館でライブ、教室でワークショップ、運動場で屋台が出店するなど、学校の機能を上手く活かしています。定期的なイベントを廃校で開催することで、廃校が地域に開かれた存在となり、多くの市民に認知と愛着が得られ、廃校活用の有効な情報が得られそうですね。

 

 

学校という場所はそこで学んだ生徒の思い出の場所ですし、地域にとっても欠かせない存在だったと思います。廃校になっても市民の交流の場として活かされた使い方をすることで地域にとってプラスになることも多いのではないでしょうか。